昨夜、米長期金利が 4.6%台に急騰し、S&P が ▼0.73% となるなど、米国株が全面安となりました。
ロケット・ラボも ▼4.78% の大幅下落となりました。米株下落の影響で、今日の日本株は安く始まりました。売り一巡後は少し値を戻しましたが、TOPIX の終値は ▼0.56% と下落しました。ドル円は 156.8 円を割れるなど、為替は円高に動いています。
日米だけでなく、インド株も ▼1.19% と下落したので、保有資産の含み益が減少。次のようになりました。
2019年暮れに中国武漢で発生した新型コロナウイルスは、瞬く間に感染拡大し、その影響で世界中の経済活動が停滞しました。人が出歩かなくなり、飲食、宿泊、娯楽などのサービスも提供できなくなりました。消費者は給付金を受け取りました。モノやサービスの量が減少し、カネの量が増えたわけですから、必然的に物価が高騰しました。
米国の中央銀行にあたる FRB は、物価の高騰、つまりインフレを抑え込むために、2022年3月に利上げを開始しました。以来、2年以上になりますが、まだインフレとの戦いが続いています。
FRB は物価上昇率をインフレ目標値である年率 2% 付近まで低下させたいと考えています。米国の 2022年6月の消費者物価指数(CPI)上昇率は 9.1% に達しました。その後、徐々に低下し、5月15日に発表された4月の米 CPI 上昇率は 3.4 でした。下がったとはいえ、目標値の 2% に比べるとまだ高いので、FRB は「利下げを急ぐ必要はない」としています。
FRB は、CPI よりも PCE を重視して政策を決定します。PCE とは個人消費支出のことで、消費者がモノやサービスにいくら使ったかを表す指標です。CPI はモノやサービスがいくらで売られているかを表す指数で、消費者がそれらを実際に購入したかどうかは関係ありません。一方、PCE には消費者が実際に購入したモノやサービスの価格が反映されるので、より生活実態に近く、FRB はインフレ目標を PCE をベースに設定しています。
4月の米 PCE は、日本時間の 5月31日21時30分に発表されます。期待どおりに低下していればよいですが、期待が裏切られた場合は、金利上昇、ドル上昇、株価下落に賭ける取り引きが勢いづきます。昨夜の米株の動きを見ると、既にその前哨戦が始まっているようです。
株を始めた人が必ず学ばなければならないこと、それは「忍耐」です。


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